176page
280×210mm
First edition of 500 copies
August.2022
"サーチライト"
ここではないどこかへ。
あの頃は空の果てが夢の向こうに見えて。
自分には照らすことのできない深さまで潜ってみたかった。
目の前が真っ暗な時。なんだか不安だが、前に進みたい。
後ろに下がるよりも、前を少しでも明るく照らすことが出来るのなら
後ろは見ずに行こうと決めた。
俺は19 歳だった。あてもなく、雨に濡れ、ただ歩き、光を発する。
その光が自分を奮い立たせ、そっと何かを追いかけた。
あの時、一つ一つ辿り着いた先に自分は存在した
見えるはずのない景色が眼のの前に現れた。
10 代最後に見えた光。
小浪次郎
1986年生まれ。写真家。活動初期より8年間、自身の父親を撮影し続け、絶妙な親子の距離感を記録した作品で2010年に富士フォトサロン新人賞を獲得するなど高い評価を得る。これまでに2013年『父をみる』、2014年『personal memory』、2015年『PARADAISE TOKYO』、2017年『GIMATAI』、2018年『Straigt,No chaser』、2018年『SCARS』、2021年に『NAMEDARUMA』、2022年「黄色い太陽」などの写真集を刊行。 主な個展に2011年G/P FRONT LINE SHOW 「complex and more」(Spiral garden)、2012年「UK-curtain call 」(KONICA MINOLTA Gallery)、2013年「Loolong at my father」(Fuji film salon)、2016年「GIMATAI」(Book Marc)、2018年「Straight,No chaser」(SALT AND PEPPER)、「SCARS」(common Gallery)、2021年「NAMEDARUMA」(The Plug Gallery)、2022年「黄色い太陽」(PARCO Gallery)等、グループ展も多数行う。また数々のファッションブランドや雑誌、広告、アーティスト 写真などを手がける。2017年より活動拠点をニューヨークに移す。『The New York Times』『Interview Magazine』。『I-D Magazine』などで作品を発表している。2020年より気鋭のphotographerを集めたエージェント「cameraclub」に所属。