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GRIND MAGAZINE VOL.103

1,320円

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たとえばデザイナーが洋服をつくるとき、頭の中のアイディアを洋服という形に落とし込む。 写真家が写真を撮るとき、四角い世界で被写体をどう捉えようか模索する。 アーティストが作品をつくるとき、イメージに近づけるための過程を想像する。 人々がカルチャーに触れるとき、そのカルチャーが蓄積した過去と今の姿に触れる。 あなたが人と話すとき、その関係性を意識する。 あなたが自分のことを考えるとき、理想と現実のギャップを認識する。 “距離”というのはなにも物理的なことに限った話ではない。 精神的でもあり概念でもある“距離”に対する個々人の思考に、 スタイルは表れるのではないだろうか。 言い換えれば、より広い視点での距離感を掴み、解釈し、想像することで、 たとえそれがどんな表現方法であろうとも、自身のスタイルに反映させることができるだろう。 ファッションやカルチャーという杓子定規で進まない世界から、 人生をともにする“ものさし”を探してみよう。 その“ものさし”は、わかりやすい正解を提示するものではないかもしれないが、 考えることをやめずにもがく人々にとっては、きっとなにかの役に立つはずだ。

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